まるぶろぐ

日々の出来事を思いのままに綴る まるい日記です

これ何のアトラクション?イチゴ味のバリウムの戦闘力って結構あるよね

 

あれから、もう1年も経つんですね。

 

去年の健康診断でね、事件は起きたわけです。

 

みなさん、健康診断の結果の確認はします?

上から下まで右から左まで確認します?

私は健康診断の結果なんて、いつも一番下の「総合判定」だけ確認です。

いつも「1.この検査の範囲では異常ありません。」です。

これ以外に無いわけです。

いたって健康、本当にびっくりするくらいに健康。

健康だけが取り柄の38歳(当時)でした。

 

その健康オバケの私がですよ。

いつも通りに一番下の総合判定を確認したら、

まさかの「5.精密検査を必要とします」みたいな結果が出ちゃって。

 

あれれー?なんか変なことしたかな?って1ヶ月前に受けた健康診断を思い出してみるわけです。

 

 

毎年のことなんですが、受付に出遅れると終わるのがすげー遅くなるわけで。

受付時間は8:00〜8:30なんですけど、8:30に行こうもんなら大惨事、まぁ大変。

受付番号1番の人が10時過ぎに颯爽と帰って行かれるのを薄ら寒い昭和の応接室かな?ってソファセットに座って見送るわけです。

薄っぺらい検査着の上に自前の上着を引っ掛けても足元からスースーのスーが入り込んできてちょっと震えてるよね。

前夜の21時から絶食指示でお腹を空かせた状態ですので体温を上げるカロリーを摂取していないので寒いんです。

この全身に着込んでいる脂肪はゼロキロカロリーなのかな?ってくらい寒いんです。燃えないんです。どうやら冷えた脂肪は役に立たないようですね。

 

そんなこんなで受付番号ケツから2番目の一昨年の私の終了時間は14時過ぎます。

お腹と背中はくっついてないのにグーグーのグーなもんで軽く眩暈、貴方の腕も声も背中もここには無いですけどね。

 

だもんで、ちょっと本気出しちゃおうかなって、前回は寝坊して8:30受付のグーなんで今回は受付番号1番狙っちゃう?

よっしゃ!いっちょやったるでーと気合を入れました。


念のため前日に再度健康診断の注意書きに目を通していたときに気がついたんですが、郵送されてきた封筒が気持ちふんわりしてるんですよね。


お知らせの紙以外に何かしら入ってるっぽいぞと、そっと中を覗いてみたらありました。

なにこれ?ビニール?緑色じゃん、あ、検●のやつ?●便のやつじゃん。

待ってねえ私、結構頑固者かも、朝のトイレのやつ。頑固者ってか意思が強いっての?出ませんよーって無いですよーってとぼけちゃう。

いや無いわけないよね?あるよね?昨日も一昨日もたくさん食べたもん。

昨日とか一昨日とかそんな単位じゃないくらい食べてるもん。でもね、とぼけちゃう。

本当おとぼけ。

まいったなー無いかー無い袖振れねーなーって萬田銀次郎が見たらびっくりするくらい甘い取り立てで諦めちゃう。

そんな私のおとぼけ。

え?いける?明日の朝いける?

でね注意書きをよく読んだら

「3日前から大丈夫っす!」

みたいなことが書いててさ、何で私はふわふわのビニールに気がつかないかなーって己の鈍臭さを怨んだね。

もう明日の朝にかけるしかないよね。
頑張れー私のおとぼけー超頑張れー

 

翌日

 

グズでノロマな私がですね、驚くほど順調に朝の支度を終わらせたわけです。

自宅出発時間の15分前、なにこれソファに座る時間あるじゃん!

いつも出発時間5分推しとかで玄関出てる私がソファに座ってる!

と、歓喜の声を上げてしまいましたが、

ちげーよと、

私が座るのそこじゃねーよと、

出すのは歓喜の声じゃなくてトイチの利息だ。

今日は兄貴連れてきてんだから出すもん出してもらおーじゃねえかと。

 

結果、無事に採取できました。

いやまじギリだかんね。

元本は諦めた、せめて利息だけでもって無い袖振ってみたら出るもんですね。

レゴの一番小さいやつかな?ってくらいの。

・・・ごめん。

でも私頑張ったよ。

 

いつもどーり出発時間5分推しで玄関を出ますが、そこはそれ8:00〜8:30と受付時間には30分の猶予があります。


病院までは30分、現在時刻は7:35。

よし、と一戦終えた体を労っていざ出陣。

いそいそと受付に向かいましたよ。

病院に8:05到着だなんて優秀だなあって自分で自分を褒めながら検診室の扉を開けたらね、誰もいないの。

やったー!ついに1番の栄光を手に入れたー!ってニヤニヤしてたら受付の人がね、

「順番にお呼びしますので番号札をお取りになって更衣室前でお待ちください」って番号札入れを指差してくれてんの。

 

ああ、これこれ、一年ぶりの番号札、知ってますよ何回受けてると思ってんのなんてニヤニヤしたまま番号札を取ろうとした手が止まったね。

でっかい文字で「9」

もっかい言うね「9」

ご丁寧に9の下にアンダーバー引いてあんの。

「6」さんと間違えないように。

愕然としたね。

だって誰もいないんだもの。

 

あ、待って更衣室って言ってた?受付の人がね更衣室って。

見回したらあるよねー更衣室の扉。

知ってる、私知ってる。だってもう何回も来てるもの。

恐る恐る更衣室の扉をノックしてドアノブを引いてみた。

もうね、人人人みしみしに詰まった人。

あ、これは入れねーなと、無理だなと、ドア開いたことにも気がつかないそんな戦場。

大人しく更衣室前で待ちました。

 

その後も9番アンダーバーの私は大人しく待ちました。

身長体重が一度に測れるマシーンの自動で降りてくるバーに結構強めに頭の上に乗っかられたり、

視力聴力検査だけだと思って安心して入室した個室で1番にメタボ腹囲測定されて「お腹の力抜いてくださいね(腹ひっこめてんじゃねーよ)」って言われたり、

採血検査でバシバシ腕をしばかれたり(血管細くて出にくい体質)、

マンモグラフィであれ?肺も挟んでない?息できなくね?ってくらいガッシリ乳を挟まれたり、

進入禁止ダメ絶対!ってとこに検査棒グリグリ突っ込まれて内診で涙目になってみたり、

胃のX線のための筋肉注射が思ったよりだいぶと痛くてウイーって変な声だしたりしながら待ちました。

 

そんで気づいたんだけど、胃のX線は初めてだわ。

胃のX線処女。

胃カメラは経験済みなんだよ!経験済み!

でも、どんなに強がってみたってバリウムも処女。

バリウムなにそれ美味しいの?

違うよね、むしろ不味いでお馴染みですよねバリウム。・・・ねえ不味いの?

 

こう見えて私は好き嫌いがないんです。

子供の頃は食べるもの全てを拒否するくらい好き嫌いが激しく給食が終わっても昼休みが終わっても掃除の時間が始まって埃っぽい教室で泣きながら食べてたような生徒、痩せてたなー。

 

それが中学生になり市販のお菓子の美味しさを知り後はお分かりですよね、食べるの大好き嫌いなものなんてない今の体系の出来上がりです。

食べてて美味しくないなと思うことはあっても不味いと思ったことはないでお馴染みの私です。

 

そんな私とバリウムの初めての出会い。

あれ?これ婚活かな?婚活かな?会ってもらえることに感謝するやつかな?

 

ブスコパンが効いてきて視界がぼやけてきたところでレントゲン室に入ります。

 

自分が処女だって気がついて、その5分後にはベッドに寝かされるわけですよ。

落ち着いてなんていられません。検査技師の指示が命綱です。とにかくガラスの向こうで機械を操る検査技師に私の処女は預けられたわけです。

だけども声が小せえの!

技師の声が小せえの!

しかも早口。

え?何言ってんの?飲むの?バリウム?一口?一口でいいの?え?なんて?もたれるの?この垂直の台に背中を?バリウムは置くの?どこ?ああカップホルダーあるのね。え?掴まる?手すりに?違う?内側から持つの?持ち方とかあるの?動くのね、オッケーしっかり持つよーちょちょちょ!動くとは聞いてたけどこんなに?!あれ?USJかな?!ここUSJ!?足が浮いてるよー両手の握力だけが私の体重を支えてるよー手を離したら落ちるよー頭側に!これさ、お年寄り無理じゃね?だってアトラクション感すごいよ!え?左を下に?なんて?体を右に?倒す?倒さない?どっち!飲むの?バリウムを?全部?3口、3口?!

 

アトラクション感があって結構楽しかったです。

終わった後看護師さんに「アトラクションみたい」って感想伝えたら笑われました。

「口の周りのバリウム拭いてね」ってティッシュ渡されました。

 

バリウムとの初対面も世間で言われるほど悪いものではありませんでした。

イチゴの香りがして、甘いんだか甘くないんだからわからないモッタリとした食感と画用紙みたいな味でした。

画用紙食べたことないけど。

うん嫌いじゃないよバリウムあんた世間で言われてるほど悪くないよ、もっと自信持ちなよ私はありだと思うよバリウムあんたも頑張ってるもんね。

 

なんつって一つ大人の階段登った私に受付の人がね

「今日中にバリウムが出なかったらお渡ししている下剤を飲んでくださいね」って説明書とピンクの小粒2個渡してきたの。

 

え?飲むの?下剤を?ピンクの小粒飲まないといけないくらいヤバイやつなのバリウムは?

騙された、まんまと騙された。甘い匂いで油断させて安心させて私を弄ぶなんて。調べてみたらバリウムなんて恐ろしい子

 

9アンダーバーの私の検診が終わったのは12時過ぎでした。

やったー火曜日だしイオンの火曜市に寄って帰れるー!

 

しかし1番の人って受付何時にしたの?

10時に颯爽と帰宅されました。

 

 

そうだ、火曜市に寄って帰って肉買って帰って晩ごはんすき焼きにしたんだった。

ピンクの小粒は怖くて飲めなくて、結局バリウムは3日後に出たんだった。

 

 

そんで検査結果ね。

「5.精密検査を必要とします」

1〜6の段階の5なわけで。

6ですと治療中ですからね。

5?あれ?

もう後がない崖っぷち、いやもう落ちてる?落ちちゃってる?

 

あれれー?って、どこだどこだ?なんて検査項目一個づつ確認したんです。

少年探偵団顔負けで上から下から右から左から探したわけですよ。

 

そしたらね、ありましたよ。

下の方の項目に赤字でありましたよ。

 

しれーっとしてますけど、これ癌ですよね?

いやもう癌なんですよ。

軽〜く癌。

精密検査を待つまでもなく癌。

念のためね、一応念のため専門医やってる友人にも聞いてみたけど若干のくい気味に「それ癌なんで早く検査したほうがいいですよ」って知ってる知ってるっつーの。


あーあ、やっちゃったかなぁ。

やだなやだなー怖いな怖いなーって。

しぶしぶ精密検査を受けたわけですよ。

 

年明けでしたね。

クソ忙しい時期、なんとか仕事の休みを取りまして精密検査です。

もう、休みを取る段階で胃が痛いわけです。

こんな時期にとるかね?なんて優しい上司は言いません。ほんと神、マジ神なんです、うちの上司は。休みに関しては何にも言わないの。

ただ抱えている仕事の調整を自分ですればいいんです。

その調整で胃がミシミシと痛むわけです。もうこの時点で体調悪化です。

 

精密検査を受けて1週間後の検査結果を待つわけです。

 

私の実家に住んでる元看護師の88歳のおばあちゃんにも話してたんです。

 

やだなやだなーって。検査結果を待ってる間が一番やだなーって。

 

したら、おばあちゃんも、わかるわかるーって、私も去年検査して結果大腸がんの再発だった時の検査結果を待ってる間が一番ストレスだったーなんて女子会トークですよ。

 

いや、大腸ガンの再発は笑えねーよ?

 

んで、最近冷え込むからさ、朝起きたら具合悪くて午前中いっぱいトイレでへたり込んで立ち上がれなかったよー動悸と冷や汗が止まらなかったよー心臓弱いからさーお迎え来ちゃったかと思ったよーって女子会トークですよ。

 

いや、その話は初耳だせ?聞いてねーよ?

現行犯逮捕だよ、即検査オーダーいれるよ?

90歳の大台には乗せるからね。

 

女子会トークって時間が経つの早いよね。

外が暗くなってきてさ、

さて、そろそろ帰るかって時間になりました。

 

雪が降ってました。

 

帰りに近所のイチゴの直売所でイチゴ買って帰りなって1000円もらいました。

 

小学校の同級生がやってる農園のイチゴ2パック買って帰りました。

 

おばあちゃんが死んだのは1週間後でした。

私の精密検査の結果発表の前日でした。